調理の仕事はどこでも同じ、違うのは調理する環境
「飛鳥Ⅱ」でガテマンジャーとして働いています。以前は陸上のホテルやレストランで働いていました。調理の仕事はどこでも同じですが、環境はかなり違います。海の上なので当然揺れることがあります。デシャップも平らではなくヘリがあって、食材が転がり落ちないようになっていたり、計量のときも針が揺れていたりします。
担当する前菜の盛り付けも、高さを出すと配膳中に倒れる可能性があるので工夫が必要です。制限がある中でも、お客様の目をひく美しい盛り付けを心がけています。
最初はギャップに驚いた、陽気で楽しいギャレーの仲間たち
400名分のディナーを毎晩2回提供します。温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たいうちにお出しする。ディナーの盛り付けは時間との闘いですから、ギャレーの皆が一体になって働きます。
「飛鳥Ⅱ」のギャレーの仲間は約80人。フィリピン人のコックもたくさん働いています。彼らはとても陽気なので職場の雰囲気が陸のホテルとは全然違います。最初はそのギャップに驚きましたけれど、今は一緒に楽しく働いています。
突然任されたアジアンビュッフェ、大変だったけれど楽しい思い出
船の場合、2人の総料理長が交代で乗船するので、それぞれメニューにも個性があります。休暇のタイミングによって働く仲間も変わるので、人間関係も固定せず、風通しがよくて、働きやすいです。
入社して5年目ぐらいに、アジアンランチビュッフェを担当するように言われました。もともとアジア料理をやっていたので任せてくれたのですが、すでに積んである食材からメニューを考えるのは大変でした。でも、それも良い思い出になりました。
学生時代
料理人を目指して調理学校へ
20代
ホテルとアジア料理レストランで働く
飛鳥Ⅱで働いていた料理人と出会う
2010年
飛鳥Ⅱにコックとして乗船
2021年
セクションシェフとして冷製料理担当(ガテマンジャー)に
起床 6:00
勤務開始 7:00
仕込み 9:30
休憩 13:00
15:30
21:00
就寝 24:00
4カ月働くのは大変ですが、長い休暇があるところは気に入ってます。休暇中は育児をしています。子どもが学校に行った後は、散歩というかひたすら歩いてます
本当に料理が好きな人には、船の料理人はすごく向いている
世界一周クルーズでは現地の市場で食材を仕入れることがあります。東南アジアではめずらしい果物や見たこともない魚が、ヨーロッパではその国ならではの野菜や食材がずらっと並んでいて、とにかくおもしろいです。
買って帰って、これで何をつくろう?と皆で考えます。寄港地の食材をお客様に味わっていただきたいですし、調理する側もいろいろな料理に挑戦できるのが楽しいです。そういうことが楽しめる人なら、きっと船に向いていると思います。
(2024年7月現在)